天 使     た  ま   ちゃん


Copyright(C)Tomo Siraki



        




たまは平成元年4月にうちに連れてこられました。 3〜4日くらい通りをうろうろしていたのを隣のおばちゃんが捕獲して 「あんたんとこ猫おらんなったんやろ?この猫飼っちゃりよ」 といって返事も待たずにポーンと家に放り投げてバタバタ帰っていったのです。 (きっと返されるのが嫌だったからに違いない・・・)


おばあちゃんは混乱していましたが、私はたまに一目惚れ!たまは家に入ったなり「ここが新しい私の家か」という感じでお部屋探検を 始め、すぐになじんでお布団で眠りました。
(通りをうろうろしている間あまり眠れてなかったんでしょう)
でも一応迷い猫かもしれないので新聞に預かり猫のはがきを出し、 近所の人に聞き込みをして回り、首輪もそのまま3ヶ月待ちましたが なんの音沙汰もなかったので避妊手術をし、首輪もはずしてうちの子に することにしました。

名前がわからないので「ジョセフィーヌ?」「まみたん?」「ぽんきち?」 などなど思いつくまま100個くらい呼んでいたら「たま?」でニャーンと 反応したのです。 もう一度ほかの名前を3つくらい呼んで「たま?」と聞くとニャーン。 もう一回、とほかの名前を読んだ後「たま?」ニャーン。 これはもうたまに決まりでしょう、となりました。

たまははっきりした性格で、わがままで、嫌なことは絶対嫌ってところが すごく可愛くて私は何をされてももうメロメロでした。 病院が大嫌いで、2度目の診察のときはキャリーバッグから出した途端 病院内を駆け回り、ソファーの奥に潜り込んでしまいました。 引っ張り出そうとするとうなり声を上げ、容赦ない爪攻撃をしてくるので 大騒ぎになりました。 それで「今度たまを病院に連れてくるときはたまが死にそうなほど弱っている時 だけ」ということになりました。


でもそんなたまもだんだんと私がすることに対しては(抱っこしたりダイブ したり一緒に寝ようとお布団に入れたりする)ため息をつきながらでも 我慢してくれるようになり、10年過ぎる頃には自分から抱っこされたり するようになってきました。

たまは平成15年2月に家族全員が見守る中静かに生涯を閉じました。 いろいろ後悔することもありましたが、愛情たっぷり注いで、たっぷり お返ししてもらって、とても幸福な15年間でした。

by  たまちゃ                                              



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