ピノの旅日記  

 猫&人間 同伴旅行記
  宿泊:白馬八方の某ホテル 2002/8/10  〜 8/12  

ボクはピノ。
今度初めて、信州白馬に家族旅行に行く事になったんだ。
知らない所に行くのはあんまり気乗りしないけれど、
グリ姉さんと相談した結果、付き合ってあげることに決めたよ。
まあ、ドライブは好きだしね!

何日も前から、パパ&ママはいろんな物を荷造りしていたよ。 
あ〜あ、そんなにいらないと思うけれどなぁ・・・
僕たちの荷物で車がいっぱいになりそうだよ。




初日

いよいよ出発だぁ。
グリ姉さんもボクもドライブには慣れているけれど、旅行は初めてさ。
ワクワク、ドキドキ、ちょっと緊張するなぁ。
ママは、不安そうな顔してる。
大丈夫だよ、いい子にしているからさ!
ん? なんだかスピードがどんどん速くなっていく。
おー、景色が飛んでいく〜 これが噂の高速道路か? 面白いゾー
もっと速く走れにゃん! どんどん飛ばせにゃん!
グリ姉さん、そんなに興奮してあっちこっちウロウロしないでよ。
ボクはちょっと眠くなったよ、お休みなさい・・・Zzzzz・・・・

う〜うん、よく寝たぁ〜、おはよう!
何だって? グリ姉さんはずーっと起きて興奮しっぱなしだったんだって?
グリ姉さんのスピード狂に、ママがあきれ顔してるよ。

ボク、もよおしてきちゃったよ。ちょっと失礼、トイレタイム。
揺れるなぁ、足を踏ん張って、目を大きく見開いて、ウンウンウン
グリ姉さんは、シッシッシ、ボクも負けじとシッシッシ
ごめん、密室だったね、でもさぁ、仕方ないもん ^_^;
パパが一言、「くちゃいなぁ。」
ママが一言、「高速は、車はすぐに止められない」

パパママは、高速道路サービスエリアで車を止めて、おにぎりとお寿司を食べている。
これがお昼ご飯なんだってさ。
ボクたちだけを車中に残していけないから、パパがお店で買ってきたんだ。
ボクたちの為なんだけどさぁ、なんか、わびしくない?

さあ、またドライブだ。
今度は大好きな山道だよ、よく揺れるなぁ
午後3時、着いた! ここはどこだ? 知らない所。
グリ姉さんと別々のキャリーに入れられ、建物の中に入ったよ。
怖いなぁ、知らない人がたくさんいるよ。
グリ姉さんはなきっぱなし。そんなになかないでよ、人が見てるだろ!
ボクは小さくなって、黙って耐えているよ。
だって男の子だもん。

前方を見るのが大好きなグリ





ここはどこだろう?(ピノ)

エレベーターに乗って6階の部屋に行ったよ。
知らないお姉さんは部屋から出て行って、パパママとグリ姉さんとボクだけになった。
まず、ママが消臭スプレーをシュッ、シュッ、シュッ。
ボクたちが知らない臭いに脅えないように、前の人たちの臭いを消すんだってさ。
パパがキャリーのドアを開けてくれた。
だけど怖いぞ〜、ここはどこだ?
グリ姉さんはキャリーから飛び出して、ソファーの後に隠れたぞ。
グリ姉さん、ボクを置いて行かないでよ〜! ボクも一緒に隠れさせて。

ソファーの後に隠れるグリ

グリ姉さんとソファーの後で隠れていること3分。
ボクは探検がしたくなったので、ひとりで部屋のチェックに出かけた。
ママの声が聞えた。
「ピノは意外と勇気あるじゃん! いつもグリを頼ってばかりだと思っていたけれど見直したわ」ってさ。
そうさ、ボクは勇気があるのさ。日頃は隠しているだけさ!
「上手(じょうず)の猫が爪をかくす」ものなんだ。
しばらくしたらグリ姉さんもチェックに出てきた。
部屋の隅々まで確認して、一応安心したらしい。

お部屋をチェック中のピノ

一安心したグリ、でもまだ緊張気味

折畳式簡易ケージで様子見のグリ
窓からお外を見た。
た、た、高い、高い、ここは6階なんだってさ。
ヘー、なんでも下に見える、面白いなぁ
うちは2階建てだから、こんな高いところに上がったのは初めてだよ。
あれが長野オリンピックのジャンプ台なんだってさ。

ボクはうちから持ってきた健康マットの上で一休み。
グリ姉さんは、あっちこっちと歩き回って落ち着かない。
ンニャ〜、ンンニャー、ニャン、ニャン、ニャン、ウロ・ウロ・ウロ
ちょっとうるさいよぉ、落ち着いてよぉ〜

パパママはお食事に行ったり、温泉に入ってきたり、それなりにエンジョイしているように見えた。
うん、ボクたちもそれなりに落着いてきたよ。

寝る時間になった。
電気が消され、ボクも持ってきた猫ベットに入った。
しかし、グリ姉さんが寝ようとしない。
寝ているパパママやボクにちょっかいを出す。
誰も相手にしないと、大声でなく。
止めてくれ〜〜〜、眠いよ、寝かせてよー       
 
ママが寝るとグリ姉さんが大声でなくから、ママはベットに入れない。
そしてずーっとグリ姉さんの相手をしていた。
朝4時、ついにパパが怒ったぞ。
「グリ、静かにしなさい!!!」
でも姉さんは静かにしない。
ついに、車に連れて行かれることになった。

左上に長野オリンピックのジャンプ台が見えます(グリ)



高い所は好きだけれど、
こんなに高い所に連れてこなくてもいいのにニャン
ちょっとおっかない・・・
「ピノ、ごめんね。グリと一緒に車で寝てね」とママ。
えーっ、ボクも車なのぉ〜! ボクはお利口にしているのにぃ・・・りふじんな・・・    
車に連れて行かれ、グリ姉さんと二人っきりになった。
パパー、ママー、心細いよぉー

しばらくして、パパが戻ってきたんだ。
「可哀想だから、ドライブに連れて行ってあげる」ってさ。
ヤッター、大好きなドライブだぁ!

1時間のドライブが終わったら、パパはホテルに戻って行った。
ねむゅ、ねむゅ、むにゅ、むにゅ、にゃん、いつの間にか寝てしまったらしい。



就寝準備完了のピノ
グリはまだ遊んでいる
2日目
コンコンッ、コンコンッ、窓ガラスを叩く音が聞えた。
ふっ、と目を開けたら、窓ガラスの向こうにパパとママがいた。
ドアが開いて、とびっきり優しい猫撫で声で「ごめんねー、出ておいで」と言われた。
イヤだ、出てやるもんか、怒っているんだぞー
グリ姉さんは、激しくないて抗議している。
ンギャー、ンギャー、ギャ、ギャ、ニャニャ〜ン
ボクは、ジーっとパパママを睨んだぞ。
ママが殺し文句を言った。「ごはんよ〜♪」
あらららら〜、、、 ボクの負けだ。
許してやるゾ。

お部屋でお食事・一休み。
このお部屋にも慣れてきたよ。
高いところは面白いなぁ。


白馬47スキー場に行った。
マウンテンバイクのダウンヒルコースがあって、
本来ならば、パパママはここでダウンヒルをする予定だったんだって。
だけど、今回は自転車を持ってこなかったんだ。
ボクたちの荷物が多すぎたのかニャ?
来年からは、パパママはここで遊びたいんだってさ。

離れたところの、人気のない駐車場でお外に出してもらった。
何という雄大な景色だ!
遠くに山が連なっている。
本当はリードなしで歩きたいのだけど、散歩できるだけでもよし、としよう。
ようし、グリ姉さん、行こうぜニャン!

30分のお散歩がすんだら、今度はお蕎麦屋さんに向かった。
最初にお蕎麦屋さんに入ったのはママだけだった。
「お蕎麦できたよ」というママからの携帯電話で、パパもいそいそと食べに出て行った。
ボクたちは車の中でお留守番。
お散歩で疲れたから、寝てしまったよ。



北アルプス白馬山麓で散歩



気持ちいいなぁ〜
空気が美味しい!(ピノ)

ホテルに戻ってから、パパママもグリ姉さんもボクも、皆でお昼寝したよ。
グリ姉さんのお陰で、みんな睡眠不足だもの。

夕方、またお散歩に連れて行ってくれるっていうので、張り切って出かけたんだ。
が、なんだ、ここは! ホテルの前じゃないか。
知らない人がたくさんいるじゃないか。
こんなところはイヤだ。
ボクはママのおしりの下に隠れてストライキをしたよ。
グリ姉さんはボクを放って、パパを連れてどんどん歩いていく。
「グリちゃんは、ピノくんの面倒をみてあげてね」ってママのお友達から言われていたのにニャぁ。
冷たいぞ〜〜〜

グリ姫は満足じゃ!

また夜になった。
「お休みなさい。今日はお利口に寝るのよ」と言われた。
もちろん、ボクは承知したよ。
グリ姉さんも一応承知したように見えた。
みんなが寝静まった頃、グリ姉さんが運動会をしようと、誘いにきた。
ちょっと運動不足だったボクは、その誘いを断れなかった。
ドンドン、キャッキャッ、ニャンニャンニャン

「静かにしなさい」とママの声。
気にしない、気にしない、運動会を続けようぜ!
「こら、静かにしないと、車に連れていくぞ」とパパの声。
これはヤバイとボクは静かにした。
でも、グリ姉さんはますますエスカレート。
・・・・・・・・・・

ボクとママ
「ワンちゃんですか?」
とよく聞かれた。
ちがわぃ、ニャンコだぞ〜!

深夜2時のドライブとなった。
今日はママも一緒。
真夜中のドライブは最高だ、面白い面白い。
ボクはウォオ〜、ウオ〜、ウォ〜にゃん、とおたけびをあげた。    
パパママが、「何がそんなに楽しいの?」と聞くけれど、とにかく面白いんだもん。    
あっちの窓ニャン、こっちの窓ニャン、ウロウロにゃん。    
いつもはグリ姉さんの方がドライブに燃えているけれど、深夜のドライブはボクの方が燃えている。
ワクワクするんだなぁニャン。
夜行性の血が騒ぐのさ。

僕はウンウンとシッシ、グリ姉さんはシッシ。
街灯の下に車を止め、ママがスコップでトイレをザックザックと掘り返している。
深夜のこの行動、かなり怪しい。
何かの事件が起きていたら、ボクたちは真っ先に検挙されちまいそうだ。
猫専用の留置場もあるだろうか。
ワンコと一緒だけは絶対に嫌だ。


3日目
目ざめたら、また車の中だった。
お外でパパママがニコニコしている。
このやろ〜〜〜、また置いてきぼりにしてー!
無罪のボクは怒ってるぞ、有罪のグリ姉さんさえ怒ってるぞ。
でも腹が減っては戦ができぬ、許してつかわすニャン。


10時にチェックアウト。
ボクたちがパパと一緒に部屋出てからは、ママはコロコロローラーでお部屋のお掃除をしたそうだ。
飼い主のマナーというのがあって、ママたちにはそんな義務があるらしい。
お手数かけて済みませんニャン。

今日はキャンプ場の近くでお散歩なんだってさ。
グリ姉さんは、サッサと散歩に行っちまった。
でもボクは疲れているんだ。眠いんだ。 今はお散歩したくない。
車から降りるのを拒否したよ。
イヤ〜ンにゃん、イヤダにゃんといっているのに、パパが強引に引きずり出したんだ。

チッ、仕方がないなぁ
お散歩するか・・・
お散歩してみると、これはやっぱり面白い。
バッタがいるぞ、
追いかけ〜て、追いかけ〜て♪  楽しいニャン♪


怒ったグリ姉さん、おっかないなぁ・・


すっかり慣れてかくれんぼ


白馬山麓、もう見納めか・・・・・
グリ:左  ピノ:右
散歩を楽しんだ後は山道を走り、高速道路を走った(もちろん車で走ったんだよ)。
帰り道は眠かった。
ほとんどズーッと寝てしまった。
行きの高速道路では、はしゃぎっぱなしだったグリ姉さんも熟睡していた。
どこかのサービスエリアで車が止まって、それっきり動かなくなった。
???と思ってパパママを見たら、二人とも寝ていた。
パパは大きないびきをかいていたよ。
そりゃそうだよねぇ、連日の真夜中のドライブじゃ、眠くなるのも当然さ。

爆睡中のピノ  得意の腹だしポーズ 熟睡中のグリとピノ


おまけ
パパもママもボクも、グリ姉さんに振り回された旅行だった。
でも楽しかったよ、とっても。
夜中と食事時間以外は、パパママはいつも一緒にいてくれた。
次回からは、自由時間をあげようっかな、どうしようっかな、
今後の態度次第ということで、保留にするニャン。

ボクたちのホテル代は、1ニャンめはサービスで無料、2ニャンめは2500円。
ママは言っていたよ、「ニャンコの素泊で2500円はちょっと高いよね〜」と。
多分ね、無料サービスの猫というのはボクで、宿泊代2500円の猫はグリ姉さんだよ。
いつもボクは、グリ姉さんのオマケみたいな扱いをされているもの(T_T)
ボクの気持ちを悟ったように、ママがつぶやいた。
「ごめんねピノ。ピノは迷惑したよね。グリと旅行をするのは嫌になったかしらねぇ〜」
まぁ、仕方ないさ、いつもはグリ姉さんに世話になってるし、今回は大目にみておこう。
グリ姉さんの名誉のために言っておくけれど、グリ姉さんは普段は夜泣きはしないんだよ。
しかし、興奮しやすいのはいつもの事だ。
はっきり言って、ボクは多少迷惑している。

来年からの旅行は、騒いでも迷惑にならない貸別荘にするらしい。
うん、そうして欲しいよぉぉぉぉぉ〜
一番迷惑したのは、このボクなんだ!

おわり


+-- Home --+        +-- 猫同伴旅行Top --+